ART SHODO NOW ー書道の新たな展開ー
2018年12月1日 ー 12月9日
EXHIBITION VIEW
Ayako Somaya Everything starts from believing in yourself. 2018年 墨、和紙 137 x 35 cm
開田智 道化師 2018年 墨、和紙 60 x 47 cm
菅広 2018年 グラファイト、紙 108 x 78.3 cm
グウナカヤマ 無18 2018年 墨、和紙 123 x 157.5 cm
Haru Yamaguchi Gravitation 2018年 ボンド墨、和紙 67 x 68 cm
矢野童観 曖昧な上と下 2018年 ボンド墨、画仙紙 69.5 x 51 cm
山本尚志 トゲ 2018年 墨、和紙 49 x 71 cm
展示風景
展示風景
山本尚志 トリプルタワー 2018年 墨、和紙 137 x 46 cm
グウナカヤマ 花18 2018年 墨、洋紙 42.4 x 54.5 cm
Haru Yamaguchi Gravitation 2018年 ボンド墨、和紙 67 x 68 cm
矢野童観 あいまいな上と下 2018年 ボンド墨、画仙紙 69.5 x 51.0 cm(左) 、 二つの曖昧な上と下の集団 2018年 ボンド墨、画仙紙 34 x 35 cm(右)
Ayako Someya Everything starts from believing in yourself(左) There is noting that can be considered natural(中) When someone paints the wall of the house,neighbors also start painting theirs(左) 2018年 墨、和紙 137 x 35 cm
開田智 道化師(左)(中) Davi 2018年 墨、和紙 47 x 60 cm
山本尚志 トゲ 2018年 墨、和紙 50 x 71.5 cm
展示風景
七重奏 — 「ART SHODO NOW」に寄せて
現代の書は「絵としての書」と「文字としての書」の両極のあいだで、不毛なバランスを模索してきた。「不毛」と言う理由は、前者と後者が、独立した極と言えるほど分離していないからである。外国人の立場を想定すれば自明であるように、あらゆる文字は、有意の記号であると同時にただの画像である。あらゆる文字は、二極のあいだというよりも、二重の存在なのだ。そもそも書とはこの二重性の芸術であった。さらに「有意」のほうも、突き詰めれば曖昧である。言語的な意味がわからなくても、絵文字は意味を伝えられる。文字を用いる文化の人間は、たとえ読めなくても —未解読の古代文字や暗号のように— 「意味ありげ」な絵の羅列を文字として認識できる。絵と文字のあいだ、「見る」と「読む」のあいだで書を位置づけようとする行為は、その「あいだ」が曖昧なので当然のように不毛であり続けてきた。
再現芸術であり造形芸術であり時間芸術でもある書は、音楽をモデルにするとわかりやすい。禅語のような定型句を揮毫する書家とは、クラシックの定番を演奏するピアニスト(基本白黒ということで楽器はピアノ)のような者であり、優れた建築をときに「凍れる音楽」と形容しバッハの音楽を大聖堂に喩えるように、音楽もまた時間芸術と造形芸術の両面をあわせもつ。さらに、音楽もまた「歌」というかたちで、言語と本質的な関係をもっているからである。読める書とは、音楽で言えば「歌える」歌、「歌詞の意味がわかる」歌のことであろう。音楽のリズムは書の筆致や筆勢に、メロディラインは文字の形態に相当する。文字が読めないのに書の好きな外国人とは、歌詞も聴き取れないのに洋楽に夢中な日本人と同じというわけである。
ただし最も本質的であるのは、音楽が/書が、リズムとメロディのその先で/筆勢や文字形のその先で、音楽/書だけで語るときである。そのとき語られるものとは、我々が通常理解する意味のシステムからあふれ出た過剰である。この過剰分は音楽/書にしか表現できない次元にあり、言語的な意味には還元されない。現代の音楽は、本質において現れるこの過剰分を追求して、無音からホワイトノイズに至る音現象を包括しつつ、世界のあらゆるジャンルや技法や音楽語法を通過して著しく多様化してきた。それに比べると、現代の書は冒頭の二元論が軛となって、ほとんど多様化していないように見える。ART SHODOは、書を未開の多様性へと開く運動であろう。ここに集められた7名の書家は、互いに異なる7つの聴き慣れぬ書を奏でているのである。
清水 穣(美術評論家)
出品作家
Ayako Someya、開田智、菅広、グウナカヤマ、Haru Yamaguchi、矢野童観、山本尚志
トークイベント「書道と現代アートの接点」12月9日(日) 14:00〜
山本尚志(書家)×富山剛成(ギャラリーNOW)
「ART SHODO TOKYO」 より選抜された7名の書家によるグループ展。
展覧会概要
展覧会名 : ART SHODO NOWー書道の新たな展開ー
会期 : 2018年12月1日(土) − 12月9日(日)
開廊時間 : 火曜−土曜 10:00−18:00 日曜 10:00−17:00
休廊日 : 月曜
後援:北日本新聞社
協力:Yumiko Chiba Associates
会場 : ギャラリーNOW 〒930-0944 富山県富山市開85 TEL 076-422-5002
ART SELECTION NOW vol.6
2018年10月25日 ー 11月4日
小さな美しきものⅡ
2018年3月16日(金) − 3月31日(土)
ルーシー・リーとハンス・コパー
2017年9月1日 − 9月10日
若杉聖子展 花一片
2017年6月3日 − 6月11日
田中信行 Imaginary Skin
2017年1月7日 − 1月21日
伊藤慶二展 土から生まれるかたち
2018年6月23日 ー 7月8日
塚田美登里展 terra
2017年12月2日(土) − 12月10日(日)
坂田潤世展 山々を描く
2017年7月14日 − 7月23日
山本尚志展 Speech balloon
2017年5月14日 − 5月27日
花のうつわ 黒田泰蔵・赤木明登
2018年5月26日(土) − 6月10日(日)
真珠光彩 中田博士展
2017年11月17日 − 11月26日
フランドル絵画からの展開 能島芳史展
2017年7月1日 − 7月9日
小川待子展 月の記憶
2017年4月15日 − 4月29日
ギャラリーNOW
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