ART SHODO -進化する芸術運動としての書 2022年3月26日(土)−4月6日(水)

  • Ayako Someya

    Corundum

    2021年

    墨、紙

    91×120.5cm

  • グウナカヤマ

    SLACK22

    2022年

    ボンド墨、紙

    60×95cm

  • ハシグチリンタロウ

    MINOR MAKER

    2022年

    ボンド墨、紙

    160×240cm

  • 渡部大語

    かつてここにシガラミがあった

    2022年

    墨、紙

    60×88cm

ギャラリーNOWでは2022年3月26日(土)から4月6日(水)まで、「ART SHODO -進化する芸術運動としての書-」展を開催いたします。

「書」が写真や工芸と同様にジャンルの境界線を取り払い、絵画彫刻と並ぶ「芸術表現」「現代アー ト」として認識 を押し上げつつある昨今。
2016 年金沢21世紀美術館で開催された井上有一(1916-1985)の大回顧展は記憶に新しく、書を芸術表現として世に知らしめんとした井上の強い意志と筆跡は圧倒的なパワーを伴って世界に強烈なインパクトを残しました。
井上ら戦後の前衛書道表現者の血脈は現代の作家へと着実に引き継がれ、一般的な書の美的慣習と固 定概念を打ち砕きながら、その表現が「書であること」の意義を自らとアートシーンに投げかけます。
本展では、その中でもあえて可読性、判読性を奪った「読めない書」あるいは「読ませない書」を生み出す4作家の新作をご紹介いたします。

文字の意味や読みを認識できない程に抽出した末に、書く対象を” 元素” まで到達させ、墨の滲みによってその存在を表出させるAyako Someya。
象形文字のように原初的な絵や記号を用いて文字の生まれる瞬間を描こうと模索し 続けるグウナカヤマは、近年自らが文字となって歩く《DIRT BOX》など「紙 対 書き手」の構図を打ち破る実験的な表現を試みています。
筆をタオルに持ち替え、感情と言葉がないまぜになったパンクロックのビートを身体いっぱいに紙面に叩きつけるハシグチリンタロウは、「書は万人の芸術」という井上有一の考えに触発され、「日常を生きる為 のエネルギー」として現代人の叫びを象徴するかのようなパワフルな書を展開しています。
一方で、「かつてここに〇〇があった」と題して、一旦書いた文字を掻き消し、隠すことで過去をリセットし前進するいう時間性を紙上に記す渡部大語は、明確に読めない文字の存在によって見るものの想像力を掻き立てます。

誰もが思い描く「書」の根幹には文字がある。しかしその概念を揺るがし、覆すことで新たな価値観を創造する余地は現代アートとしての書にはあると考えられます。読めない書は言わば、先の読めない未知の可能性をたたえた書。
2018年12月に弊画廊で開催した「ART SHODO NOW – 書道の新たな展開 -」展から丸3年の月日を経て、現代書があゆみを進めてきた証をご高覧ください。

出品作家
Ayako Someya、グウナカヤマ、ハシグチリンタロウ、渡部大語

展覧会概要

展覧会名:「ART SHODO -進化する芸術運動としての書-」
会期 :2022年3月26日(土)− 4月6日(水)
開廊時間 :10:00−18:00(日・祝日は17:00まで)
休廊日:毎週月曜日
会場:ギャラリーNOW
〒930-0944 富山県富山市開85
TEL 076-422-5002